導入事例

現場で使われ続けている理由を、3社の記録で。

「導入したが使われなくなった」を避けるため、Kanawa は点検表の様式と手順を変えないことにこだわっています。ここでは規模も業種も異なる3社の、導入前の課題と12ヶ月の結果をそのまま掲載します。

12ヶ月の推移

点検漏れ件数は、導入後2〜3ヶ月で急減し、その後も戻らない。

3社の「月間の点検漏れ件数」(点検周期を過ぎても実施されなかった点検の数)を、導入前1〜3ヶ月を含む12ヶ月分で示します。導入直後に減るのは「朝の通知」で未実施が見えるようになるため、その後も戻らないのは記録の手間が減って現場に定着するためです。

月間点検漏れ件数の推移(2025年9月〜2026年8月)

単位: 件 / 月
導入企業3社の月間点検漏れ件数の推移(2025年9月〜2026年8月) 三上金属工業は24件から4件、津田精機は31件から7件、北栄化成は58件から12件へ、いずれも導入後2〜3ヶ月で急減し、その後は低い水準で安定している。数値は下の表でも確認できる。 0 10 20 30 40 50 60 2025/9 10 11 12 2026/1 2 3 4 5 6 7 8 導入開始(三上 10月 / 津田 11月 / 北栄 12月) 24 4 31 7 58 12
グラフの数値を表で見る
月間点検漏れ件数(件)
企業2025/91011122026/12345678
三上金属工業2422151198655444
津田精機3130271914121098877
北栄化成(3拠点計)585552413024201815141312

事例詳細

3社の課題と結果

CASE 01 / 金属プレス加工

三上金属工業株式会社

愛知県豊川市 / 従業員45名

主要製品
自動車用ブラケット、建材金物
対象設備
プレス機 12台、コンプレッサー、集塵機 ほか 38台
プラン
スタンダード
導入時期
2025年10月

導入前の課題

日常点検は各作業者が紙の点検表に記入し、月末に班長がまとめて回収していた。2025年夏、油圧プレス2号機の作動油温度が3週間かけて上昇していたにもかかわらず、回収後の確認でしか気づけず、ポンプの焼き付きで4日間の停止と約180万円の修理費が発生。「点検はしていたのに防げなかった」ことが導入のきっかけになった。

導入で変えたこと

  • 紙の点検表(Excel)を取り込み、項目・周期はそのまま。各プレス機にQRコードを貼付
  • 班ごとに共用タブレット1台(耐油ケース付き)を配備。作業者は名前を選ぶだけ
  • 毎朝6:45に工場長と班長3名へ「未実施・異常値」を通知。朝礼で当日の対応を決める
  • 作動油温度・圧力に上限値を設定し、超過は即時通知

12ヶ月の結果

-83%点検漏れ件数(月24件 → 4件)
0件予兆を見逃した突発停止
2.5h/週班長の転記・集計時間の削減

「一番変わったのは朝礼です。以前は『気をつけろ』としか言えなかったのが、『今日は2号機の油温を見てくれ』と具体的に言えるようになりました。数字が出ると、若手も自分から設備を見に行くようになります」(工場長 三上 様)

CASE 02 / 自動車部品(切削加工)

津田精機株式会社

静岡県浜松市 / 従業員120名

主要製品
トランスミッション用シャフト、ハウジング
対象設備
NC旋盤 24台、マシニングセンタ 18台 ほか 86台
プラン
スタンダード
導入時期
2025年11月

導入前の課題

保全担当のベテラン2名(60代)が2026年度中に退職予定。NC旋盤の主軸ベアリングの劣化を「音」で判断して交換時期を決めていたが、その判断基準が本人以外に伝わっておらず、若手には引き継げない状態だった。また突発停止が月平均11時間発生し、納期遅れの原因になっていた。

導入で変えたこと

  • ベテランの「音」の判断を、週次点検の振動値(mm/s)と主軸電流値の数値記録に置き換え
  • 過去の交換記録から設備ごとに上限値を設定。推定機能で「あと何週で上限か」を表示
  • ベテランには「上限値の妥当性を見直す」役割を任せ、判断基準を数値として残す
  • 設備台帳に修理・部品交換の履歴と写真を蓄積し、交換部品の発注リードタイムと合わせて計画

10ヶ月の結果

-77%点検漏れ件数(月31件 → 7件)
-62%突発停止時間(月11.4h → 4.3h)
14件推定機能で事前に手配できた部品交換

「ベテランの勘を否定するのではなく、勘が正しかったことを数字で証明するのに使いました。本人も『自分の判断が残る』と前向きに協力してくれています」(生産技術部 課長 津田 様)

CASE 03 / 樹脂成形

北栄化成株式会社

富山県高岡市(本社)ほか 3拠点 / 従業員280名

主要製品
家電・住設向け射出成形部品
対象設備
射出成形機 96台、金型温調機、チラー ほか 210台
プラン
エンタープライズ
導入時期
2025年12月

導入前の課題

富山・新潟・群馬の3拠点で点検表の様式がそれぞれ異なり、本社の生産技術部は各拠点から届くExcelを毎週3.5時間かけて集計していた。様式が違うため拠点間の比較ができず、同じ型式の成形機で片方の拠点だけ故障が多い理由を突き止められなかった。親会社の品質監査で点検記録の提出を求められた際、拠点ごとに3日かけて記録を集める必要があった。

導入で変えたこと

  • 3拠点の点検表を、成形機の型式ごとに共通様式へ統一(拠点固有の項目は追加項目として残す)
  • 本社の横断ダッシュボードで、3拠点の点検実施率・異常値・要対応設備を1画面で確認
  • 拠点の保全担当が承認、本社が確認する2段階の承認フローを設定
  • 監査用に「設備・期間指定でPDF出力」を運用。監査の資料準備を当日中に完了

9ヶ月の結果

-79%点検漏れ件数(月58件 → 12件)
3.5h/週本社の集計時間がゼロに
3日 → 即日監査用の記録提出

「拠点を横並びで見られるようになって、新潟だけチラーの水温が高い傾向にあると分かりました。冷却塔の清掃頻度の違いが原因で、それだけで成形不良が減っています。集計に使っていた時間を、こういう分析に回せています」(生産技術部 部長 北村 様)

同業種・同規模の事例を、詳しくお話しします。

掲載していない事例も含め、貴社と近い業種・設備構成の導入企業の運用をご紹介できます。希望があれば、導入企業の担当者への見学・ヒアリングの手配も可能です。