導入事例

従業員40〜140名、いずれも点検は紙で行っていた3社です。導入前に何に困っていたか、半年〜1年でどう変わったかを、担当者の言葉と数字で紹介します。

点検漏れ件数の推移(東海精密プレス)

導入前の2か月を含む12か月分。点検漏れとは、その日に予定されていた点検のうち記録が残らなかった件数です。導入後は当日夕方の通知で、漏れの大半がその日のうちに埋まるようになりました。

月あたりの点検漏れ件数(件) 2025年9月〜2026年8月。2025年11月に Kanawa を導入(11月は導入月のため、紙とアプリの併用期間)

グラフは横にスクロールできます

点検漏れ件数の12か月推移の折れ線グラフ 2025年9月に34件、10月に31件、導入月の11月に29件。以降は12月21件、2026年1月14件、2月11件、3月9件、4月7件、5月6件、6月5件、7月4件、8月4件と減少し、導入前と比べて88%減となった。詳細な数値は下の表を参照。 403020100 導入(11月) 34件 29件 4件 9月10月11月12月 1月2月3月4月 5月6月7月8月 2025年 2026年
点検漏れ件数(月計) Kanawa 導入月
グラフの数値を表で見る
月別の点検漏れ件数
2025/91011122026/12345678
点検漏れ(件)343129211411976544

3社の導入前と、その後

業種も規模も違いますが、共通しているのは「点検表は書いていたが、読み返していなかった」ことでした。

東海精密プレス株式会社

所在地
愛知県豊田市
業種
自動車部品のプレス加工・溶接
従業員
86名(2交代)
設備
プレス機 14台、溶接ロボット 6台ほか 計 62台
プラン
スタンダード(2025年11月導入)

導入前の課題

日常点検は紙で行い、月末に生産技術の担当が Excel に転記していました。転記に月18時間かかる一方、転記した数値をグラフにする時間はなく、油圧や異音の項目は「書いてあるだけ」の状態でした。2025年春、400トンプレスの油圧ポンプが突発停止し、3日間ラインが止まったことが導入のきっかけです。

やったこと

紙の点検表 22 種類をそのまま Kanawa に取り込み、各ラインに Android 端末を2台ずつ配置。油圧・温度など数値項目 38 件に上限・下限を設定しました。並行運用は2週間で終え、12月からは紙を廃止しています。

結果

  • -88%点検漏れ件数(導入前2か月平均 → 直近3か月平均)
  • 1件油圧の上昇傾向から突発停止を事前に回避(2026年2月)
  • 18時間→0月次の転記作業。集計は Kanawa の出力に置き換え

「2月に 3号機の油圧が3週間かけて 4.8 から 5.6 まで上がっていくのがグラフで見えた。あれを紙で見つけるのは無理です。リリーフ弁を交換して事なきを得ましたが、去年の停止と同じ症状でした」

生産技術課長 加藤 弘樹 さん

北信バルブ工業株式会社

所在地
長野県上田市
業種
水道・工業用バルブの鋳造・機械加工
従業員
140名(鋳造は3交代)
設備
溶解炉 3基、造型ライン 2本、加工機 41台ほか 計 118台
プラン
スタンダード(2025年8月導入)

導入前の課題

3交代の鋳造ラインで、前の班が見つけた炉の異常が次の班に伝わらず、同じ確認を3回繰り返したり、逆に誰も確認しなかったりが常態化していました。引き継ぎノートはありましたが、設備ごとには整理されておらず、「先週の夜勤で何かあったらしい」という伝聞が飛び交う状態でした。

やったこと

班ごとの点検表を統合し、設備単位の1枚にまとめました。「否」が付いた項目は次の班の点検画面の先頭に表示されるよう設定。溶解炉の炉壁温度と冷却水温は自動でグラフ化し、上限超過は保全課長のスマホにも通知するようにしました。

結果

  • -76%点検漏れ件数(導入前3か月平均 → 直近3か月平均)
  • 0件班をまたいだ異常の伝達漏れ(導入後10か月、保全課の集計)
  • -35%溶解炉の突発停止(前年同期比)

「引き継ぎが『言った・聞いてない』ではなくなった。夜勤が炉壁のひび割れに『否』を付けて写真を残せば、朝には保全が見に行く。当たり前のことが、やっとできるようになった」

製造部長 小林 誠 さん

丸山樹脂株式会社

所在地
埼玉県川口市
業種
家電・住設部品の射出成形
従業員
42名
設備
射出成形機 18台、乾燥機・粉砕機ほか 計 39台
プラン
スタート(2025年10月導入)

導入前の課題

成形機の点検は、勤続32年の保全担当がほぼ一人で担っていました。点検表はありましたが、本当に見るべき勘所(スクリューの異音、型締めの油温の上がり方)は本人の頭の中にしかなく、2026年春の定年退職を前に、社長が「彼が辞めたら点検の質が落ちる」と危機感を持っていました。

やったこと

導入担当が保全担当に2日間同行し、口頭で語られた勘所を点検項目と写真付きの判定基準に書き起こしました。項目は 18 から 31 に増えましたが、二択とテンキーで答えられる形式にしたため、所要時間は1台あたり平均 3分です。退職までの5か月間は、本人が若手の記録をアプリ上で確認し、コメントを残す運用にしました。

結果

  • -91%点検漏れ件数(導入前2か月平均 → 直近3か月平均)
  • 31項目ベテランの勘所を判定基準付きで文書化(写真 74 枚)
  • 2名退職後に点検を担える若手(いずれも入社3年目)

「引き継ぎ書を書けと言われても書けなかった。でも『この音が出たら否』と写真と一緒に項目にしてもらったら、若い子が同じ判断をできるようになった。辞めた後も点検の質は落ちていないと聞いて、安心しています」

元 保全担当 丸山 隆 さん(2026年3月退職)

同じ業種の導入担当に話を聞けます。

プレス、鋳造、成形、機械加工など、業種ごとの点検表のひな形を用意しています。御社の設備一覧を送っていただければ、近い事例を挙げてご説明します。